Vodafone 802SE活用研究

最終更新: 2006/2/24

このページは802SEの内蔵ブラウザ、Opera Mini、PocketWebで閲覧可能です。 また、内蔵ブラウザでは数字キーで各セクションに飛ぶことができますが、 その後のスクロールに問題が生じることがあるので注意してください。


0. 目次


1. はじめに

ボーダフォンの3G携帯電話端末Vodafone 802SE(Sony Ericsson V800/Z800)の活用法を紹介します。

主に以下のようなトピックを扱う予定です。

以下のようなトピックについては、筆者の契約や興味の関係上、あまり扱いません。


2. 内蔵ブラウザの研究

ここでは、内蔵ブラウザの機能やTipsについて紹介します。

内蔵ブラウザの機能・制約

以下のような機能がサポートされています。

以下の機能はサポートされていません。

また、以下のような制約があります。

お気に入り・オフライン利用

ウェブページを「保存」すると、データフォルダの「お気に入り」にセーブされます。 通常、内蔵ブラウザを起動すると、ホームページを読みに行きますが、 「お気に入り」のページを呼び出すと、ホームページを読まずにブラウザを起動することができます。

「お気に入り」を呼び出した場合に、HTTPで読み込んだ場合と表示が異なる場合があります。

「お気に入り」は、メモリースティックの/MSSEMC/Media files/webpage/フォルダになります。 外部からこのフォルダにHTMLファイルやプレーンテキストファイルを保存すると、 「お気に入り」として呼び出すことができます。 これを利用して、PCなどで保存したウェブページ (HTMLファイル)やテキストファイルを閲覧することができます。

エラーメッセージ

以下のようなエラーメッセージがあります。

「要求したページは使用できません。別のリンクを選択してください。」
URLで示されるリソースが存在しません(404)。
「アクセスが拒否されました。他のリンクを選択するか、設定を確認してください。」
アクセスが禁止されています(403)。
「通信エラー。再試行するか、インターネットサービスプロバイダにお問い合わせください。」
主に名前解決に失敗した場合に発生します。
「大きすぎてロードできません。別のページを試してください。」
最大ページサイズを超過した場合に発生します。
「選択したページを表示できません。」
URLにポートが指定してある場合や、最大ページサイズを超過した場合に発生します。
「表示しようとしているページに何か問題があります。」
不明です。

HTTPリクエストヘッダ・CGI環境変数・WAPプロファイル

内蔵ブラウザがウェブサーバに送るHTTPリクエストヘッダは以下のようなものです(アクセスインターネット経由の場合)。

GET / HTTP/1.1
Host: www.example.jp
Accept-Language: ja
Accept: image/gif,
	image/png,
	image/jpeg,
	image/cvg,
	image/bmp,
	image/vnd.wap.wbmp,
	image/svg+xml,
	application/x-shockwave-flash,
	application/vnd.oma.drm.content,
	application/vnd.oma.drm.message,
	application/vnd.oma.drm.rights+xml,
	application/vnd.oma.drm.rights+wbxml,
	application/*,
	application/sdp,
	audio/amr,
	audio/mid,
	audio/midi,
	audio/x-midi,
	audio/sp-midi,
	audio/imelody,
	audio/mpeg,
	audio/mpeg3,
	audio/mp4a-latm,
	audio/wav,
	audio/x-wav,
	audio/3gpp,
	audio/mp4,
	audio/x-mmf,
	application/x-smaf,
	application/vnd.smaf,
	text/html,
	application/xhtml+xml,
	text/css,
	application/vnd.wap.xhtml+xml,
	text/vnd.wap.wml,
	text/vnd.wap.connectivity-xml,
	application/vnd.wap.wmlc,
	application/vnd.wap.wbxml,
	application/vnd.wap.wmlscriptc,
	application/vnd.wap.multipart.mixed,
	multipart/mixed,
	application/vnd.wap.sic,
	application/vnd.wap.slc,
	application/vnd.wap.coc,
	text/vnd.sun.j2me.app-descriptor,
	application/java-archive,
	application/vnd.oma.dd+xml,
	*/*
Accept-Charset: utf-8, utf-16, iso-8859-1, iso-10646-ucs-2, Shift_JIS
User-Agent: Vodafone/1.0/V802SE/SEJ002/SNxxxxxxxxxxxxxxx 
	Browser/SEMC-Browser/4.1 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1
x-wap-profile: "http://wap.sonyericsson.com/UAprof/Vodafone-802SER101-3G.xml"

これにより、一般的なCGI環境では以下のような環境変数が得られます。

HTTP_ACCEPT="image/gif, 〜 , */*"
HTTP_ACCEPT_CHARSET="utf-8, utf-16, iso-8859-1, iso-10646-ucs-2, Shift_JIS"
HTTP_ACCEPT_LANGUAGE="ja"
HTTP_HOST="www.example.jp"
HTTP_REFERER="〜"
HTTP_USER_AGENT="Vodafone/1.0/V802SE/SEJ002/SNxxxxxxxxxxxxxxx 
	Browser/SEMC-Browser/4.1 Profile/MIDP-2.0 Configuration/CLDC-1.1"
REMOTE_ADDR="xxx.xxx.xxx.xxx"
REMOTE_HOST="〜.access-internet.ne.jp"
REMOTE_PORT="〜"
HTTP_X_WAP_PROFILE=""http://wap.sonyericsson.com/UAprof/Vodafone-802SER101-3G.xml""

ここにあるhttp://wap.sonyericsson.com/UAprof/Vodafone-802SER101-3G.xmlとは、端末の能力をXMLで記述したものです。


3. 内蔵ブラウザをアクセスインターネットで使う

通常、内蔵ブラウザはVodafone live!用のアクセスポイントであるVFJP Webを使うよう設定されています。 ここでは、主にPCデータ通信用のアクセスポイントである アクセスインターネットを使うように設定する方法を解説します。 この設定を行うことで、アクセスインターネットしか使えない データバリューパック契約でも内蔵ブラウザを使えるようになります。 なお、SIMロックを解除してある場合、海外SIMカードでも同様の手順で使えると思います。

内蔵ブラウザの通信設定

  1. アクセスインターネットの設定を行います。 「接続」→「データ通信」→「データアカウント」→「VF Internet」で、以下の通り設定します。
    項目名設定値
    APNvodafone
    ユーザ名ai@vodafone
    パスワードvodafone
  2. 内蔵ブラウザが使うアクセスポイントを選択します。 「接続」→「インターネット設定」→「インターネットモード設定」→「新規モード設定」で、以下の通り設定します。
    項目名設定値
    名前VFJP Internet(任意)
    接続用アカウント設定VF Internet
    設定したら「保存」を選択し、「インターネットモード設定」に戻ったら、 今作成したVFJP Internetを選択します。
  3. 上記の設定をすると、メインメニューの「Vodafone live!」が「Sony Ericsson」になります。 また、内蔵ブラウザのホームページがhttp://wap.sonyericsson.comになります。 これを変更するには、「接続」→「インターネット設定」→「インターネットモード設定」で アクセスポイント名(ここではVFJP Internet)を選び、「機能」→「詳細」で変更します。

上記の手順は通常契約でも行えますが、アクセスインターネットはデュアルパケット定額の対象外ですので注意してください。 また、Vodafone live!にアクセスするには、「インターネットモード設定」でVFJP Webを選択する必要があります。

これで、アクセスインターネットで使えるようになりましたが、 前述のエンコーディングの制限などにより、 そのままでは日本語のウェブページを読むためにはほとんど役に立ちません (携帯電話用サイトでも、charsetを指定していないものが少なくありません)。 そこで、外部にコード変換プロキシが必要になります。

コード変換プロキシの運用

ここでは、内蔵ブラウザをアクセスインターネットで利用するための、 外部プロキシの運用について解説します。 プロキシソフトとしてはDeleGateを利用します。

DeleGate(9.0.5)をコンパイル・インストールし、以下のファイルをDGROOT/lib/codemap(デフォルトでは/tmp/delegate-$OWNER/lib/codemap)に置きます (ドキュメントにはDGROOT/libとありますが、これは旧バージョンの話です。また、ファイルがなければ実行時に自動的にダウンロードしますが、ファイルサイズが大きいためかタイムアウトで失敗することが多いので、前もって手動で置いておくのが無難です)。

準備ができたら、以下のように起動します。

$ delegated -P8080 SERVER=http CHARSET=SJIS PERMIT="*:*:*"
	AUTH=proxy:pauth AUTHORIZER="-list{username:password}"

各オプションの意味は以下の通りです。

オプション内容
-P8080ポート8080で待ち受けます。
SERVER=http汎用HTTPプロキシとして動作します。
CHARSET=SJISSJISに変換します。
PERMIT="*:*:*"IPアドレスによるアクセス制限を行いません。
AUTH=proxy:pauthプロキシに認証を必要とします。
AUTHORIZER="-list{username:password}"認証のユーザー名とパスワードを指定します。

PCのブラウザで、プロキシが正しく動作していることを確認します。

「接続」→「インターネット設定」→「インターネットモード設定」で アクセスポイント名(ここではVFJP Internet)を選び、 「機能」→「設定」で、以下の通り設定します。

項目名設定値
接続用アカウントVF Internet
インターネットモードHttp
プロキシ使用はい
プロキシアドレスプロキシサーバーのホスト名またはIPアドレス
ポート番号8080
ユーザ名username
パスワードpassword

設定したら「保存」を選択します。

以上で、内蔵ブラウザでもエンコーディングを問わず日本語のウェブページが読めるようになります。 特に、802SEの内蔵ブラウザは、アクセスインターネット経由でもIMEIを送出することができるので、 IMEI送出を要求する携帯電話用掲示板への書き込みも可能です。

ただし、PC向けのページは、ページサイズの制限やその他の原因により依然として読めない場合が多いので、 HTMLをフィルタリング・分割するCGI(通勤ブラウザファイルシークなど)と併用する必要があります。 また、プロキシを通しても、ポート番号指定のあるURLにアクセスすることはできません。

DeleGateを停止するには、以下のようにします。

$ delegated -P8080 -Fkill

なお、Delegate8.11.5では、JISX0208.TXTだけをDGROOT/libに置きます。 また、変換先としてSJISを指定すると、UTF-8からの変換がうまくいきません。 変換先をUTF-8にすれば問題ありませんが、UTF-8はデータ量が増えるので、あまり好ましくありません。


4. ブラウザアプリを使う

内蔵ブラウザで不足する用途には、ブラウザアプリを導入して利用することになります。 海外携帯電話で利用可能なブラウザアプリとしては、 WebViewerが高機能で定番だったのですが、 すでに販売を終了してしまい、新規に利用することができなくなりました。 ここでは、無料のOpera MiniとシェアウェアのPocketWebを紹介します。

Javaアプリの通信設定

通信を行うJavaアプリを利用するためには、アクセスインターネットの設定を行う必要があります。 ボーダフォン携帯電話では、認証を受けていないアプリはアクセスインターネットしか使えないので、 データバリューパックでない通常契約であってもアクセスインターネットの設定が必要です。

あらかじめ前述の「内蔵ブラウザの通信設定」にしたがってアクセスインターネットの設定をしておきます(プロキシは使いません)。 「接続」→「Javaアプリ設定」→「インターネットモード設定」で アクセスポイント名(ここではVFJP Internet)を選択します。 なお、内蔵ブラウザ+コード変換プロキシとJavaアプリを併用する場合は、 プロキシの使用の有無をいちいち切り替えるのは面倒なので、 プロキシありとなしで別のアクセスポイント設定を作るとよいでしょう。

Opera Miniのインストール

内蔵ブラウザでhttp://mini.opera.comにアクセスし、ダウンロード・インストールします。 あるいは、PCでアクセスし、ダウンロードしてBluetooth経由などで転送・インストールします。

high版(advanced版、MIDP 2.0用)とlow版(basic版、MIDP 1.0)があり、 802SEの場合は自動判別でhigh版が提示されます。 機能はどちらもほぼ同じですが、high版のほうが画面を広く使え、 見栄えやメニューの操作性もよいのでおすすめです。

バージョン1.2からは、日本語版も登場しました(ユーザインタフェースが日本語になったもの。日本語Webページの閲覧は以前から可能)。まだ一部翻訳が間違っているところもありますが、実用上は問題ありません。

Opera Miniの機能・制約

以下のような機能がサポートされています。

802SEの場合、「戻る」キーに対応しています。

以下の機能は現在サポートされていません。

また、以下のような制約があります。

PocketWebのインストール

  1. PocketWebをダウンロードします。
  2. トライアルキーを取得します。
  3. PocketWebを起動し、トライアルキーを入力します。
  4. 継続使用する場合は、有償キーを購入します。

PocketWebの機能・制約

以下のHTML要素をサポートしています。 ただし、802SE上では太字は再現されません。 また、すべての属性をサポートしているわけではありません。

以下のHTML要素はサポートしていません。

SSL、クッキー、Basic認証、RSSに対応しています(SSLは、中継サーバと対象ウェブサーバ間のみ暗号化されます)。 以下の機能については未調査です。

以下のような点に注意が必要です。

また、日本語固有の注意点としては以下のような点があります。

内蔵ブラウザとの比較

内蔵ブラウザと比較して以下のような利点があります。


5. メールアプリを使う

802SEでPC用メールを読み書きするには、以下のような手段があります。

現在利用可能なメールアプリには以下のようなものがあります。 802SE以外にもたいていのJava MIDP対応端末で利用可能です (他にもUEmailとEmailViewerがありますが、前者は802SEでは正常に動作せず、後者は販売を終了しているため割愛します)。

ソフト名 Sirius mMail Mail4MEMujMailEmail
バージョン 2.2 2.2.4 1.0.5 - -
動作環境 MIDP MIDP MIDP MIDP MIDP
UI言語 英独仏西英独ポーランド
SMTP送信 Yes Yes Yes Yes Yes
SMTP AUTH No No Yes Yes No
POP3受信 Yes Yes Yes Yes Yes
IMAP4受信 No No Yes No No
送受信別サーバ No Yes Yes Yes No
日本語受信 No Yes No No No
日本語送信 No Yes(UTF-8/Base64)NoNoNo
HTML受信 No No(切り捨て)No(切り捨て)No(生)No(生)
添付受信 No No(情報のみ)No(切り捨て)No(生)No(生)
アドレス帳 Yes Yes No No No
複数アカウント Yes(受信のみ)YesNo No No
戻るキー(SE) Yes Yes No No No
ライセンス シェアウェアシェアウェアオープンソースGPLフリーウェア
料金 EUR5 USD4 0 0 0
試用期間 150KB 5日 - - -
動作原理 プロキシプロキシプロキシ/直接直接接続プロキシ
ソース公開 No No Yes Yes No
サイズ(KB) 33 41 31 95 19

この中で日本語の送受信が可能なのはmMailだけですので、ここではmMailを紹介します。 ただし、送信はBase64のUTF-8になるため、PCのメーラでは読めてもPDAや携帯電話では読めない可能性が高いので注意が必要です。

この他にもiCJKMail(サブスクリプション型シェアウェア)もあります。これは日本語・中国語・韓国語のフォントを内蔵し、欧米向けの端末でもこれらの言語のメールを読むことを可能としたメーラです。ただし日本語などの送信はできません("?"になって届きます)。

インストールと設定

インストールはjarファイルをダウンロードまたは転送して開くだけです。 コード入力などは不要です。料金を支払った場合も、自動的にライセンスがアクティベートされます。 なお、カラー版と白黒(Basic)版があるので注意してください。 また、バージョンによっては初期言語がポーランド語になっている場合があるようです。

前述の「Javaアプリの通信設定」にしたがってアクセスインターネットの設定をしておきます。

起動するとメインメニューが現れますので、まずPOP/SMTPアカウントの設定を行います。 「Options」→「Edit account」で「New account」をチェックし「Ok」で設定画面に入り、以下の項目を設定します。

入力したら「機能」→「Save」でOptions画面に戻ります。 他の設定はとりあえずデフォルトでもかまいませんので、「Save」でメインメニューに戻ります。

受信

なお、メールを受信・削除してもPOPサーバからは削除されません。 また、再度Refreshしても一度取得したメールは再度取得されません。

送信

Subject:と本文には日本語の入力も可能ですが、Subject:はUTF-8のMIME Bエンコーディング、 本文はUTF-8のBase64エンコーディングになるため、 相手がUTF-8を読めることがわかっている場合以外は送るべきではありません。

メールを作成したら、機能→Send(またはSend & Save)で送信します。 すぐに送信しない場合は、機能→Saveで下書きとして保存しておき、後で編集・送信します。


6. その他

海外SIM使用時は、内蔵ブラウザと同様のアクセスポイント設定を MMSに対しても行うことで、MMSも使用可能になると思われます。 「メール」→「設定」→「MMS」→「インターネットモード設定」でアクセスポイントを選び、 「メールサーバ」にオペレータ指定のMMSゲートウェイのURLを入力します。


7. 参考


Copyright (C) 2004 ITO Takayuki, All rights reserved.